AIシステム開発学科 前期期末発表
遊んで覚えるAI麻雀
まーじゃんしよかは、麻雀に関心がありながら始められずにいる方が、第1章から順に進めるだけで対局を始められるよう設計した、学習と対局を一体化した Web アプリケーションです。
学習の順番を設計。前提知識は不要。インストールも不要。
開発者
- 徳田悠真(神戸電子専門学校 AIシステム開発学科 1年)
個人で企画から運用までを担当しています。2026年7月より Web サービスの開発を始め、現在6つのサービスを公開・運用しています。開発記録は Zenn にて毎日公開しています。
企画
課題
- 麻雀の名称は広く知られている一方で、実際に対局できる人は限られている
- ルールや役など覚える内容が多く、始めるまでの負担が大きい
- 入門向けの解説は数多くあるが、どこから学べばよいかが示されていない
全国調査では、麻雀をやってみたい人が7.0%であるのに対し、実際に参加した人は4.6%にとどまっています(レジャー白書2025)。参加を希望する人の約3分の1が、実際には参加できていません。
本発表にあたり、神戸電子専門学校IT学科の学生・教員81名を対象に、麻雀に関するアンケートを実施しました。
19名
ルールを理解している
(4人に1人)
20名
やってみたいが
未経験
約2倍
20名が対局できれば
19名 → 39名
| 未経験の20名が挙げた理由(複数回答) | 人数 |
|---|---|
| 覚えることが多い | 15名 |
| 始め方が分からない | 15名 |
| 上記のいずれかを挙げた | 20名中19名 |
覚えることが多くても、何から順に学べばよいかが分かれば、1つずつ進めることができます。
不足しているのは教材ではなく、学ぶ順番です。
解決策
- 全13章の学習パートを必修・実戦・腕試し・発展の4区分に整理し、順番に配置
- 麻雀用語には読み方を併記し、数字のみの牌から段階的に解説
- 学んだ内容を、その場で CPU戦・友人戦により実践
- 対局中に迷った場面では、AIアドバイスにより打牌の相談が可能
提供価値と位置づけ
既存の入門解説や、雀魂などの対局アプリを置き換えるものではありません。その手前にある「学ぶ」と「打つ」の間を、1つのアプリケーションの中で、順番どおりにつなぎます。他のアプリやサイトを行き来することなく、学習から対局までを完結できます。
想定利用者
友人の間で麻雀が流行しており、自身も始めようと YouTube の解説動画を視聴したものの、覚えきれずに始めるには至らなかった学生。アンケートでも「初心者向けのアプリができたら、ぜひ利用したい」という回答が寄せられています。
技術構成
ブラウザのみで動作し、インストールは不要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 種別 | 麻雀の学習・対局 Web アプリケーション(ブラウザ利用・インストール不要) |
| フロントエンド | HTML / CSS / JavaScript |
| バックエンド | Python / Flask(ルール判定・点数計算) |
| AI | Google Gemini(対局中の打牌に関する助言) |
| 認証・データ | Firebase Authentication / Cloud Firestore(ログイン・友人戦・学習進捗) |
| 公開環境 | さくらのVPS(Ubuntu・nginx・gunicorn)/ HTTPS 化は Let’s Encrypt(Certbot で証明書の取得・自動更新) |
対局相手の CPU は機械学習ではなく、独自に実装したロジックで動作しています。AI を活用しているのは AI アドバイス機能です。
機能
学習パート(全13章)
解説を読むだけでなく、ミニゲームで実際に操作しながら学習します。前の章を修了すると、次の章が開放されます。
| 区分 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 必修 これだけで対局を始められる | 数字の牌 → 色付きの牌 → 実際の麻雀牌 → 字牌 → 役牌 → 対局のルール → ポン・チー・カン → 基本の役(立直・断幺九 など) | 8章・約70分 |
| 実戦 習得すると上達につながる | 翻・ドラ・点数/中級役/上級役 | 3章 |
| 腕試し 学習内容の確認 | 道場チャレンジ(全10問・段位判定) | 1章 |
| 発展 別ルールでの対局 | 三人麻雀 | 1章 |
CPU戦
1人でいつでも対局できます。四人麻雀と三人麻雀に対応しています。
友人戦
6桁のルーム ID を共有するだけで、離れた場所からでも一緒に対局できます。参加人数が足りない場合は、ホストが CPU を追加して開始できます。
AIアドバイス
対局中に判断に迷った場面で、どの牌を切るべきかを理由とあわせて提示します。
開発・公開状況
- アプリケーション本体を公開済み(学習パート全13章・CPU戦・友人戦・AIアドバイス)
- PC・スマートフォンの両方に対応(スマートフォン表示は継続して改善中)
- 点数計算・待ち判定・役判定に自動テストを整備し、変更のたびに検証したうえで本番環境へ反映
強みと課題
- 第三者からの「友人戦を3人でも遊べるようにしてほしい」という要望を受け、CPU による人数補完機能を実装
- 開発者自身が日常的に利用し、発見した不具合は当日中に修正して本番環境へ反映
- 企画の根拠を既存の統計だけでなく、自ら実施した81名へのアンケートで検証
- 企画・設計・実装・公開・運用を1人で一貫して担当
SWOT分析
| Strengths(強み) | Weaknesses(弱み) |
|---|---|
・ 学習から対局まで1つで完結する ・ 用語や難しい漢字に読み方を付け、初心者でも前提知識がいらない構造にしている。 | ・ スマホのUIに直しきれていないところが残っている ・利用者が少ない ・検索からの流入がほぼ無い |
| Opportunities(機会) | Threats(脅威) |
|---|---|
・「初心者向けのアプリができたらぜひ利用したい」という声がある。 ・ 日本全体でも、やってみたい人は7.0%いるのに実際に打った人は4.6% | ・ 無料の大手対局アプリ(雀魂・MJなど)が既にあり、「打つ場所」を探している人はそちらに流れやすい |
今後の展望
- 利用意向を示した方に実際に使っていただき、フィードバックをもとに改善する
- 経験者でもつまずきやすい点数計算を、アプリ内で学べるようにする
- ルールを理解している方がいなかった留学生にも伝わる解説を整備する
- スマートフォン表示の改善を継続する
関連リンク
- アプリケーション本体:https://mahjong.webtool-labs.com/
- デモ動画:https://youtu.be/QsFmxiiPCnI
- その他のサービス・開発記録:https://profile.webtool-labs.com/
最後に
麻雀は名称こそ広く知られているものの、始める前の段階で「覚えることが多そう」「何から始めればよいか分からない」と立ち止まってしまう方が少なくありません。まーじゃんしよかは、その最初の一歩を、学ぶ順番の設計によって軽くするためのアプリケーションです。
麻雀に関心を持ったその日から第1章を始めていただけるよう、今後も改善を続けてまいります。
参考文献:レジャー白書2025(速報版)詳細資料 日本生産性本部 余暇創研(2025年7月15日)
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/app_2025_leisure_pre.pdf


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